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そうべつへのいじゅう 

菜園と虹(2020年9月3日撮影)

2020年09月09日 - 枝豆の収穫

2020/09/18

ついに念願かなって自宅の庭で自家栽培の枝豆をつまみにビールをおいしくいただきました。
採れたての枝豆と程よく冷えたサッポロクラシック、最高の取り合わせです。これがやりたかったー!

田舎暮らしを始めると、家のこと、庭のこと、動物対策など、いろいろと対処しなければならないことが多く、毎日途方に暮れてしまいます。そこで、どうしてもやりたかったことを優先的にすすめるようにしています。
 

ほどよく冷えたサッポロクラシック!
 

やりたかったことのひとつに菜園があります。特に枝豆!
「枝豆はお湯を沸かしてから採りに行け」と言われるほど鮮度が落ちやすい野菜で、収穫した瞬間から味が落ちていきます。数年前、ニセコの菜園付き貸コテージで枝豆を採ってすぐに茹でて食べた時のおいしさは格別で忘れられません。以来、私の夢となっていました。

そういう訳で、夏の枝豆とビールを目指して、雪融けの3月から庭の開拓を始めました。開拓の顛末はまた別なお話として、、、5月初旬までに庭の前に2m×7mの耕作地を作りました。

近所の方のお話では、家庭菜園で枝豆を作っていた人がいたけれども、全部鹿の餌になってしまったので、もう作るのをやめたとのことでした。壮瞥町の主な産業は農業なので、獣害は少ないだろうと思っていたのですが、実際はそうでもないようです。これまで、うちの庭には鹿のほかキツネやタヌキが来ていることがわかりましたが、アライグマもいるとのことでした。ペットとして飼われていたものを誰かが放して野生化したようです。このアライグマがやっかいだそうで囲いをつけても穴を掘って侵入するそうです。聞くところによると昔は鹿の被害はなかったそうですし、アライグマもいませんでした。現在は農地にはデンボク(電牧:電気牧柵のことで農地を電気を流したワイヤーで囲みます)が必要とのことでした。
 

開拓
 

ネット張り
 

さすがに、最初からそんな大がかりな対策はどうかということで、動物除けのグッズを調べてみると、匂いや、光、音、超音波など、いろいろな動物除けがありましたがレビューを見る限りどれも決定的ではなく、長期間の効果は望めないようでした。
そこで、初年度は実験的にいろいろやってみようということで、まずは、耕作地をアニマルネット(長さ20m、幅1m)で囲うことにしました。購入したものは幅が1mあるのですが、アライグマなど下からの侵入を防ぐために裾を折り返して土に埋めるため、たるみも含めると高さは70cm程度になってしまいます。これでは上から鹿が首を伸ばせば簡単に中の作物に届いてしまいます。ネットを跨ぐことすらできるかもしれません。そこでさらに外側に支柱を立ててピンクの蛍光テープで囲いました。鹿は赤色が嫌いだという説があるようなので。また、刺激臭が嫌いだとという説もあり、鷹の爪とニンニクのへたをネットに入れ蛍光テープに括り付けました。すべては話半分で、実験ということで。

ちなみに、私の通っている壮瞥の床屋さんから聞いた話ですが、あるとき農家の方が髪の毛がほしいと訪ねてきたそうで、なんでも玉ねぎのネットに髪の毛を入れて吊るしておくと鹿が寄ってこないということらしいのです。人間の匂いで警戒するのかわかりませんが。後日、床屋さんが効果のほどを聞いたところでは、鹿は寄ってこないけれどもキツネには効果がなかったとか。これもまた話半分で。いずれは昔ながらの案山子も試してみたいと思っています。

黄色い粘着シートとスナップエンドウ用防虫ネット
 

ピンクの蛍光テープで囲う
 

さて、枝豆の話に戻りますが、5月17日、ポット(苗を育てるプラスチックの容器)に豆をまき発芽させたのですが、なかなか天気が良くならず、地温も上がらなかったため、菜園への植え付けは6月10日になってしまいました。長い間、家の中で日当たりが悪かったため苗はひょろひょろと伸びてしまいました。菜園を整地して黒マルチを張り、苗の根切り(主根の先を切断すると強く育つとの説あり)をして、6株植えました。

枝豆は「越後ハニー」という品種(山形庄内早生ダダ茶、新潟早生小平方系統)です。

ところで、野菜の種には固定種とF1種(交配種)と呼ばれるものがあります。固定種は育てた野菜から自家採種ができ、その種を植えると同じ形質の野菜が採れる、昔ながらの種です。一方、F1種はその形質は一代限りで、育てた野菜から採種したものを植えても、同じ形質の野菜にはなりません。ただし、病気に強い、害虫に強い、味が良いなどの優れた形質をもつものが開発されているので、現在流通しているものの多くはこのF1種のようです。

私は将来的には自家採種がしたかったので、固定種を入手しました。固定種は、野口のタネで購入することができます。

もうひとつ気にかけていたのは有機栽培です。農薬は使わず有機肥料だけで栽培するということです。これもどこまでできるか実験です。環境はどうなのか、害虫や病気の影響はどの程度なのか。とりあえず、最低限のことしかしないように育てます。

農薬を使わないため害虫対策は重要です。そこでトンネル支柱を使って防虫ネットをかけ、中には黄色の粘着シートを設置しました。害虫は黄色を好むようで、寄ってきて粘着シートにくっつくのです。念のため菜園の周りにも粘着シートを設置します。これが結構、効果があるようです。

最初のトンネル支柱と防虫ネット
 

防虫ネットを外した枝豆畑
 

説明ばかりになってしまいましたが、最初に植えた6株の他に、時期をずらしてバックアップ用2株をスナップエンドウと混植しました。家内がスナップエンドウにご執心で、つるありスナップエンドウ用に背の高い支柱を使って防虫ネットを設置し栽培を始めていました。その伸びたスナップエンドウの株元に枝豆の苗を移植しました。かなりの密集度ですが、これも実験です。

さらに時期をずらしてバックアップ#3として3株を(なにせ、菜園の一番の目的である枝豆ですから、失敗することはできませんから、バックアップは重要です)、黒豆の3株といっしょに植えました。黒豆も早採りして枝豆として食べるとおいしいと聞いていたので、食べるために買ってあった黒豆を試しにポットに蒔いてみると普通に芽が出てきたので、畑に植えることにしました。黒豆は暖かい気候が適していて栽培期間が長いようでしたがこれも実験です。

スナップエンドウとの混植
 

7月に入ると草丈が高くなって防虫ネット内が混み入ってきたので、大きめのトンネル支柱を購入して取り替えましたが、それでもすぐに葉が茂って密生する状態になりました。天気が良くないうえに日当たりが悪くては、花が咲いて実がつくかどうか心配です。最終的には長い支柱を組んで三角テントのような形にしました。

設置したトレイルカメラ(赤外線監視カメラ)を見ると、夜に鹿が付近を歩き回っているようですが、アニマルネットと蛍光ピンクのテープで囲っているからなのか、あるいは防虫ネットで囲っているからなのか、菜園に近づいている気配はありません。

9月に入って枝豆のさやができてきました。あとは豆が大きくなるのを待つだけです。雨の降らないときはホースで水撒きをしているので、水はなんとか足りていると思うのですが、日照不足が心配です。そこで収穫予定の数日前に太陽光が少しでも多く当たるようにと防虫ネットを外しました。どうやらさっそく鹿がアニマルネット内に入った形跡があり、少し枝豆の葉っぱが食べられました。

カメラを確認すると菜園に入るところは映っていませんでしたが、菜園内を歩き回っているところが写っていたので、蛍光テープをくぐって、アニマルネットをまたいで入ったと思われます。鹿対策として、さらに支柱を立て蛍光テープを張って侵入を阻止します。

トレイルカメラ
 

鹿侵入!!
 

甲斐あって更なる被害もなく、9月9日、無事、枝豆の収穫ができました。翌日から雨が続く予報なので、ほんの少し豆の実入りが良くないのですが、収穫することにしました。結構時間がかかったので、半分ほど収穫して即、枝豆を茹でて程よく冷えたビール!ビールは程よく冷えていることが肝要です。冷えすぎていてはせっかくの風味が台無しで、ただの炭酸水になってしまいます。採れたて茹でたての枝豆は、さすがにフレッシュな味わいです。最高のひと時です。実は期待していたほどの味ではなかったのですが、それは実入りが悪かったからかもしれないと思っていました。しかし、翌日、冷蔵庫で保存していたものを食べると甘みが凝縮しコクも増しているようで最高の味わいでした。食べ始めると止まりません。少し雨が降っていましたが、前日に収穫しきれなかったスナップエンドウと混植していた枝豆を収穫しました。こちらは実入りもよく(1日で変わったのか、栽培した場所によるものなのかはわかりませんが)ゆでると最高の味わいで、自分で育てた甲斐がありました。まさに、これを求めていたのです!

2日で合計2kgほどの収穫でした。まだ、みなさんにお配りするほどの収穫量ではありませんが。初年度はすべて実験なので。収穫後はすぐにすべて茹でて、即、冷凍しました。

枝豆栽培の結果としては、スナップエンドウとの混稙は意外とよかったと思います。スナップエンドウはつるあり種で1.5m位のところに豆をつけ、その収穫が終わった頃に枝豆が大きくなってくるという高低差と時間差をつかった栽培となりました。スナップエンドウのために防虫ネットを高くしていたのが良かったのかもしれませんが、ここの枝豆が一番味が良かったと思います。反省点としては、他のところも防虫ネットの背を高くして密生しないようにすることと、鹿対策をしっかりすることです。

収穫前の枝豆
 

大収穫!
 

収穫後、枝豆を採り終えた枝葉をアニマルネットに引っかけたり、菜園の周りに放置しておきました。土に埋めてたい肥にしようかとも思ったのですが、鹿へのお裾分けということで。餌付けにならないように注意は必要ですが。

夜に鹿がやってきて枝豆の葉を食べていきました。ただ、実入りの悪いさやや虫食いの枝豆も付いていたのですが、それは全く食べられていませんでした。鹿は枝豆が好きなわけではなく、枝豆の葉が好きなようです。

枝豆の葉を食べる鹿
 

さて一緒に植えた黒豆のほうは、やっと薄紫色のかわいらしい小さな花が咲いてきたところでした。はたして、寒くなる前に枝豆になるのでしょうか。
 

 

 

 

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