自宅前の景色(2019年11月撮影)
2019年08月18日~22日 - 蟠渓温泉 旅館 蟠岳荘
[2019年8月9日~22日 - 雑草との戦い]の派生エピソード、その2
7月の物件契約の帰りに一泊だけ「ばんけい温泉 湯人家(ゆのとや)」に滞在しました。ここは新居から一番近い宿で、車で5分くらいのところにあります。国道から奥まった閑静な場所に位置し、温泉は露天風呂もあり、食事もおいしく、掃除が行き届いていて、部屋にトイレが付いているのでお気に入りの宿になりました。今回は8月9日しか予約できず、10日以降は同じ蟠渓温泉エリアの「旅館 蟠岳荘」を予約することにしました。インターネットでの予約はできないので直接電話してみると「たぶん大丈夫です。一人ならなんとかなります。」と、、、「たぶん」ってどういうことでしょう、「なんとか」って、、、大丈夫なのでしょうか。
ウェブには「1泊2食付:税込7,500円~」とありましたが、料理の違いで6千円と7千円(入湯税別)のコースがあるとのことなので、6千円のほうでお願いしました。
蟠渓温泉は非常に古い湯治場で、この蟠岳荘も3食付で長期滞在ができるようです。
新居の庭仕事を終えて10日にチェックインすると、その宿のおかみさん(というか、おばあちゃんという感じです)が、「急に電話してきてこれから来るというお客さんがいて、食事も食べるというので、、、」と漏らしながら、「2階の大きな部屋しか空いていなくて」とのこと。行ってみると畳20畳の大広間。入り口は鍵もかかっていません。修学旅行か、という感じです。部屋は暑かったのですがエアコンがなかったので、埃だらけの扇風機を見つけ出して動かそうとしましたが、羽が壊れていて使えません。とりあえず窓と扉を開けてしのぎます。
夕食は「6時くらいかな」ということだったので降りていくと、なにやらおかみさんが、おじさんに洗濯機が動かないと愚痴を言っています。「昨日、向かいの電柱をちょしてたから(「いじっていたから」の北海道方言)」とか言っています。おじさんはブレーカーを確認して「ブレーカーが落ちてたよ」といって洗濯機を復活させたのでした。旅館の関係者かと思いきや、泊り客のようです。常連なのでしょうか。
その宿はおかみさん一人で切り盛りしているようでした。夕食はビールなど飲み物は自由に持ち込みOKとのことでしたが、何も持ってなかったのでビールを頼んで夕食。
大広間の長テーブルの一つに2席設けられていて、もう一つに3席一組分が準備されていました。すでにおじいさんが一人、食事を始めていました。私はそのはす向かい。
テーブルにはものすごい量の料理が用意されていました。その内容はうろ覚えですがざっとこんな感じです。
お刺身、サラダ、酢の物、煮物、煮魚、てんぷら、揚げ物と野菜、キュウリの浅漬け、とうもろこし1本、フルーツ、と盛りだくさんで、量から考えて2~3品は余計です。キュウリの浅漬けは2本分はあろうかというような大盛り。味噌汁は鍋ごと置いてあり4杯分はある。相席なので2人分かと思いきや、各自一鍋づつ。どんなに無理をしても食べきれない。結局2品は残すことに。
相席だったおじいさんと少し話をしました。函館から千歳までゴルフを見に行った帰りとのこと。もちろん車で。毎年申し込んで見に行っているとのことで、今回は渋野日向子が見られたという。ちょうど連日テレビを賑わせていた時です。
函館から千歳って、、、意外と遠いのです。300kmはあるので高速を使っても4時間はかかります。70歳をとうに過ぎているのに元気なおじいちゃんです。定年後は毎日テニスをしているので元気だとか。翌朝、函館まで帰るそうですが、高齢ドライバーの問題が連日報道されているさなかです。本当に運転の無事を祈らずにはいられませんでした。
食事の途中で後ろの席にやってきたのは件の「急に電話してきて、、、」の客でしょうか。
二人は父親と子供のようですが、もう一人、地元の地主らしきおじいさんがいます。土地の売買の話などをしていて、どうも接待されているようなのです。接待って、この蟠岳荘で?確かに料理は多いけど。
とにかく、怪しげで不思議な宿です。他にも食事なしの客がけっこう泊まっているようでした。私は、20畳の部屋の真ん中にポツネンと布団を敷いて、翌日の長距離ドライブに備えて早寝です。
クラス会のために釧路に行って、戻ってきた後も蟠岳荘に連泊しました。
夕方6時には1階に降りて夕食です。時には6時前でも「橋本さーん」と声が聞こえます。聞こえないこともあって、わざわざ2階に上ってきて御飯ですよって。夕食の準備ができると何時であっても呼ばれるシステムのようです。
夕食の量はさらに増えている気すらします。さすがに、食べきれなくもったいないので減らしてほしいとお願いしたのですが、いっぱいもらうので食べてもらわないと困るんです、と言われてしまった。きっと近所の農家からいろいろもらうのでしょう。これで、高いほうのコースにしていたらどうなっていたのでしょう。
一度は鍋いっぱいの野菜と味付けジンギスカン2袋だったこともありました。その他にもおかずとキュウリ2本とトウモロコシはあるのです。
炊飯器にはいつもいっぱいの白米が炊かれていて、食事付の泊り客が私だけのときでも、それは変わらないのでした。お米は蘭越(らんこし、ニセコの隣町です)の知り合いから分けてもらっているとのことで、とてもおいしいご飯でした。(現在は、自宅でも「らんこし米」を食べています)
お風呂はもちろん温泉で、庭仕事で汗まみれ、虫だらけになった後、いつも一人で使えたので本当に快適でリラックスできました。
結局、蟠岳荘には合計で5泊して、運動量の割には逆に体重が増えてしまったのでした。
蟠岳荘では、いろいろなことがあまりに大雑把で、部屋の鍵はなく、トイレも共同なので、家内と一緒のときには残念ながら使えそうにありません。
補足:
蟠渓温泉には明治17年(1883年)に開湯した「伊藤温泉旅館 ひかり温泉」がありましたが、2018年5月に閉館となり134年の歴史に幕を閉じました。
この蟠渓温泉で一番古い、源泉かけ流しの温泉旅館が売りに出ていました。非常に興味があったので現地まで見に行きましたが、建物の老朽化がひどく、改修にどれだけかかるかわからない状態でした。そうこうしているうちに、壮瞥の物件に出会いました。